サラリーマン大型二輪免許取得大作戦


第12話 〜ふるえが止まらない〜

とうとうやってきた。卒業検定の日が。前回の見きわめを突破して以来、チョット間が開いた。
平日にもかかわらず、大勢の卒検受験者がいる。若い人から40過ぎ位のご婦人まで、幅が広いこと。
かく言うワタシも、今日は会社を休んできた。そうか、学生さんは夏休みだ・・・。どうりで大勢いるはずだ。
うらやましい気持ちを持ちつつ、11時30分、検定前のオリエンテーションがスタート。
検定時の注意事項、検定コースの再確認、そして検定コースの抽選が行われた。
抽選の結果、2コースを走ることとなる。・・・やばっ、コースを100%憶えきれてない・・・。
コース表とにらめっこ。・・・どうも1コースとこんがらがる。・・・不安・・・。
ここまでストレートに来たのだから、落ちずに卒業したい。
まさしく、『最後にして、最大の難関』。
ちなみに、検定は、昼休みの時間に行われる。まだ開始まで時間がある。ひたすらコース表とにらめっこ。
一夜漬け、ならぬ一時漬けの状態・・・・・・果たして大丈夫なのか、自分でも心配。

検定は、2台同時に行われる。一人は1コース、もう一人は2コース、検定員の鋭い目が光る。
順番が後の方だったので受験者の走りをじっと見ていたが、目の前で40過ぎのご婦人が急制動で停止線をオーバーした。
その途端に検定員が一言、
「はい、発着点に戻ってください!」
ひえー!!検定中止だー!ご婦人は無念そうな表情を浮かべてバイクを降りた。
・・・・・・急に不安になってきた。

ついに順番が巡ってきた。平常心を保ちつつ、バイクにまたがり、ウォーミングアップラン。
ワタシの卒業検定がスタートした。
赤信号で停止したとき、足が震えているのが自分でもはっきりわかる。緊張のあまり、クラッチを握る手も震えている。
本番に強いと思っていたけど、そーでもないみたい。
ハプニングは、指示速度のところで起こった。3速で40kmを出してからカーブで減速する時、エンジンブレーキを
かけようと思い、シフトダウン。しかし、2速のつもりが1速まで落としてしまい
『ギューン!!』・・・・・・強力なエンジンブレーキがかかり、一瞬バランスを崩す。
「あちゃー・・・やってしまった・・・。」
緊張していると、全てが微妙におかしくなる。普段の教習ではそんなこと一度のやったことないのに・・・。
検定には魔物が住んでいるのか・・・・?
大きな失敗と言えば、ここだけだと思う。坂道、踏切、S字、クランク、一本橋、スラローム、急制動は、無難にこなしたつもり。
コースミスもなかった。無事完走を果たし、発着点に戻る。・・・・・・やっと落ち着いた。正直、ホッとした。

全員の検定が終わったところで、検定員からのワンポイントアドバイス。
一人一人にここを直そう、ここを気をつけよう、とアドバイスしてくれる。
ワタシの場合、
「まず、安全確認が甘いなー。もっとしっかり首を振って、まわりの安全を確認しよう。
それと、左へ曲がる時にどうも大回りになるなー。もっと小さく曲がるよう練習しよう。」
この2点。
『ダメ出し』に聞こえてしまうのは気のせい?しかも、『練習しよう』ってことは、本当にダメだったのか・・・?

合格発表はしばらくしてから、ということでロビーにて待機。
落ち着かない。タバコの本数が増える増える。
ロビーのテレビでは、みのもんたが昼間っから説教をたれている。
・・・・・・重苦しい時間が過ぎていった。

急に館内放送が響き渡った。
『ほんじつー、じどーにりんかのー、そつぎょーけんていをー、うけられてかたはー、カウンターまえにー、おあつまりくださいー。』
いかにもデパートの呼び出しみたい。
受験者全員が不安そうな顔を浮かべつつ集合。果たして結果は・・・。
検定員が一言、
「ここにお集まりのみなさんは、・・・・・・全員合格です!!」
雄叫びをあげる者、友人同士で固い握手を交わす者、小さくガッツポーズを決める者、様々な人間模様が展開された。
ちなみに、検定中止になってしまった40過ぎのご婦人はこの席にはいなかった。次回のご健闘をお祈り致します。

晴れて卒業証明証の交付を受ける。いや、本当に良かった、良かった。証明証をもらう時の手がかすかに震えていた。
運転免許試験場に行くにあたっての注意事項の説明を受け、最後に教習所についてのアンケートに答える。
これで晴れて卒業。あとは免許をもらいに行くだけ。また休みをもらって行くことにしよう。