サラリーマン大型二輪免許取得大作戦


第7話  〜有給休暇の使い方〜


非常に困っている。第2段階の1発目、シュミレーターの予約が取れない。
マメに空き状況をチェックしに行くも、土曜日は空きなし。夜間もおんなじ。
空いているといえば、平日の午前中、昼間ぐらいしかない。歯ぎしりする思いの日々が続く。
「くそー、空きさえあれば・・・。平日行くのはムリだしなー・・・。」
こんな思いをしながら2周間が経過、だんだんバイクに関する感覚がにぶってくるかも・・・。
妙なあせりも出てきた。会社休んでいってもいいけど・・・優先順位を考えると、仕事優先だし・・・。
葛藤の日々。ただむなしく時間が過ぎていった。
「どうしよう・・・気長に待つべきか・・・休んででも行くべきか・・・。」判断に迷う。

そんなある日、会社の上司に呼ばれた。
上司:「教習はどこまで進んだ?」
ワタシ:「第1段階通ってから、予約が取れなくて困っております。」
上司:「予約が取れるとしたら、いつぐらい?」
ワタシ:「平日の昼間ぐらいしか空いてないですね。」
上司:「休んでいったらええやん。有給あるんやろ?」
ワタシ:「えっ?いいんですか?そんなことしても?」
上司:「有給休暇やろ?使ったらええねん。2時間ぐらい届を出せばいいやないか?
    それで教習が進むんなら有意義な使い方やないか?もしかして、有給使うのが『悪』とでの思ってたのか?」

矢継ぎ早の質問攻めにたじろぐ。
・・・確かに有給を使うことに罪悪感があった。いや、冠婚葬祭以外では使ってはいけないものだと思っていた。
「そうか、そういう使い方もあるのか・・・。」何かの呪縛から解き放たれたような気分。
暗闇の中にひとすじの光を見たような気分。天国への階段が目の前に降りてきたような気分。
上司のお墨付きを得て、教習に行けるのだから、ありがたい話である。
『ロー』な気分が瞬時にして『ハイ』になり、喜び勇んで予約を取りに行く。
・・・ぜんぜん空きがなかった。次週に期待。

結果的に、3週間も空いてしまったが、平日の昼間に予約を入れて、有給休暇を2時間だけ使うこととした。
届を出して、いざ教習所へ。平日の昼間、スラックスにワイシャツそして革靴、どう見ても『仕事中、抜けて来ました』
というかっこうで教習を受ける。はっきり言って、浮いていた・・・と思う。

チョットだけシュミレーターの特性に慣れてきたのか、コツを覚えたというべきか、
体を傾けず、ハンドルだけで曲がっていくと、意外とうまく曲がれることがわかってきた。
しかし、実車ではしないほうがいいかも。
当日のお題目は、危険の回避。
交差点で大型トラックの陰から出てきたバイクと衝突するなど、日常よくあるケースの事故を体験。
シュミレーターだからよかったものの、実際に起こってしまったら、と考えると恐ろしい話である。
シュミレーターをなめてはいけない。実際に事故を体験させてくれるのだから。
安全運転を心に誓いつつ、教習は終了。急いで職場に戻る。

そういえば、上司はこんなことを言っていた。
「有給使ってええから、じゃんじゃん教習に行け!」
よーし、じゃんじゃん教習に行ってやる。早いこと中免を取って、ツーリングに行ってやる。
すでにバイクは確保済みだったりして・・・。