サラリーマン大型二輪免許取得大作戦


第4話  〜バランス〜


 もっと、教習所へ行きたいとは思うものの、平日は、やはり仕事が優先。夜の教習も考えたが、仕事が早目に切り上げられるかが不安で、どうしても自由になるのは土曜日しかない。
 日曜や、深夜の教習もやってくれれば・・・と、思いつつも、土曜日の朝、教習所へ向かう足どりは軽い。

 例によって、取りまわしからスタート。
 ウォーミングアップ後、事前に渡されたプリントに基づき、設定された教習コースを走る。
 この頃になると、バイクそれぞれのクセがだいたい分かってくる。
 クラッチのつながり方、ブレーキの強弱、ハンドリング等々、バイク次第で、その日の上達具合も変わってくる。
 どうやら、今日のバイクは『当たり』のようだ。

 教習コースは、発着点→信号右折→クランク→外周2周→S字コース→一本橋→スラローム→発着点、と続く。
 坂道と踏切通過は、今のところない。
 外周を走るのは楽しいが、クランクは苦手。断続クラッチのしすぎで左腕がつりそうだ。
 教官は、「もっと遠くを見る!」と盛んに言っている。とは言っても、足元がおぼつかない。
 フラフラした状態で、クランク、S字、一本橋を通過していく。
 やはりバランスを崩し、コカさないまでも、つい足をついてしまう。
 教官いわく、「それが、遠くを見ていない証拠です。」
 
 厳しいお言葉を頂戴しつつ、一時限目終了。そこへ、会社の上司がやってきた。
 実は、上司もこの教習所の卒業生で、’99FXDオーナーでもある。
 懐かしそうにコースを見る横顔が印象的だった。

 上司としばらく会話したあと、二時限目の教習がスタート。ひたすら一時限目の復習事項をくりかえす。
 「・・・・・・バランス・・・・・・バランス・・・・・・ばらんす・・・・・・バランス・・・・・・遠くを見る・・・・・・」
 自己暗示をかけるように、ブツブツ言いながら、コースを走っていく。
 ふと気付くと、うちの上司がカメラでこっちを狙っているではないか。しかも望遠レンズ付き。
 人に見られると、いい格好をしたくなるのは人の常なのか、チョットだけコーナリングのスピードを上げてみたりして・・・。
 「わざわざ写真を撮りにきてくれたんだ・・・。なんて優しい方なんでしょう。もしかしたら、泣きそうな顔してるかも。」と、思いつつ、新たな教習項目、8の字走行を体験。外に膨らんで怖い思いをした。

 当面の課題は、「バランス」この一言に尽きる。
 この辺を重要視するのが、原チャリとの違いだろう。
 少々難しくなってきたが、これが出来なければ、第一段階を突破できない。
 ちょっと延長教習を覚悟しとかないといけないかも。

 話は変わるが、この日、入学式の時に受けた適性試験の結果が返ってきた。
 総合判定は、『運転することには支障ありません』とのこと。
 ・・・可もなく不可もなく、と言ったところか。
 しかし、項目ごとでは、『くよくよしやすく、気分が変わりやすい。そして協調性にやや欠けている。』とか・・・。
 なかなかするどいご指摘だこと・・・・・・。思い当たるフシもある。
 これって、気分が「ロー」の時は、教習を受けるなってことかな?