サラリーマン大型二輪免許取得大作戦


第3話  〜S字、クランク、一本橋〜

 土曜日の朝、はっきり言って眠たい。夜更かしするんじゃなかった。
 今日は、1・2時限と連続で実車予約を入れているので、ゆっくりはできない。
 外は雨。ゆううつな気分のまま教習所へ向かう。
 しかし、時間が近づくにつれ、シャキッとしてくるのはなぜだろう。体がバイクを求めているような感じさえする。
 
 雨の中、教習はいつもどおり、取りまわしからスタート。その後、エンジンをかけて、周回コースを3・4周走る。
 今日は調子がいい。スムーズに体が動く。1本頭の線を切ったおかげかもしれない。
 2速、3速はお手のもの。調子に乗って、4速に入れたりもした。
 
 周回コースをグルグル回っていると、教官に止められ、新たなお題が出された。
 ブレーキのかけ方の練習。
 適度なスピード(時速30km程度)から安全に停止する。
 目印のところで、@前ブレーキ A後ブレーキ Bクラッチを切る
 この練習を繰り返す。しかしうまくいかない。止まる時にバランスを崩し、右足をついてしまう。
 
 教官はひたすら、
 「右足を地面につけない!」 「もっと遠くを見る!近くを見るとバランス崩すよ!」
 ・・・分かっちゃいるけど、体がついていかない。どうにかしてくれー!!
 悪戦苦闘のさなか、1時限目が終了。10分の休憩をはさみ、2時限目へ。同じ練習を繰り返す。
 近くを見ると右足をついてしまうが、不思議なことに、遠くを見ると、きれいな停止ができる。
 「なかなか良くなってきたな。」
 教官のおほめの言葉を頂き、新たな課題、一本橋とスラロームへ。
 
 半クラッチは苦手だ。エンジンの空ぶかしの音が響いている。
 いつ落ちてもおかしくない状態で一本橋を渡る。
 スラロームは、パイロンを気にしすぎて、大回りになってしまう。
 これで大丈夫なのか?
 冷たい雨に打たれながら、ひたすら、一本橋とスラローム。さらには、S字、クランクと教習は進んでいく。
 必死のライディング・・・。どう見てもバイクにもてあそばれている。
 そうこうしているうちに2時限目も終了。

 本日の教官のコメント、
 「もっと遠くを見るように。」
 視線が近いからバランスが悪くなる、ということを身をもって体験した。
 しかし、教習生手帳には復習項目の記入がない。
 ・・・大目に見てくれたのかな?いや、もしかしたらすっごくうまいんちゃうの?
 と、都合のいい考え。・・・そんなわけないか。
 やはり、雨の日の教習はつらい。今後、乗るときは雨が降らないことを祈りつつ下校。
 
 帰りにHD神戸に寄った。店に入るなり、スタッフの尾形氏が一言、
 「今日、何回コケた?」
 今日はコケてない。無傷の生還だ。胸を張って、
 「ゼロです。」と、言うと、なぜか悔しがっている。
 実は、スタッフ全員で何回コケるか賭けていたとか・・・。
 ・・・やれやれ・・・。