サラリーマン大型二輪免許取得大作戦


第2話  〜入学式&勇気を出して初めての実車〜


 この1週間は長かった。
 事前審査でヒーヒー言っていたのも今では笑い話になり、ついに入学式を迎えた。
 この日、入学するのは全員で7名。女のコも1人いる。
 が、入学式といっても、これからの教習についての説明が主で、
 注意事項、実車予約の入れ方など、一通りの説明が続く。
 
 その話の途中で教官が一言、
 「この学校も有名人が出ていまして・・・。藤原紀香なんですけど。」
 フジワラ ノリカ!? 頭の中に缶チューハイのCMが浮かんだ。『イチ・サン・パー』
 たぶん、鼻の下がのびていたと思う。
 そうか、藤原紀香と同じところで学べるのか・・・。相当昔の話だそうだが、全国区の人気を得る前に、
 この教習所でクルマの免許を取ったそうだ。
 ちょっと優越感に浸りつつ、入学式は終了。続いて、適性検査を受ける。
 知能テストのようなもの半分、性格判断のようなもの半分、単純作業のものが多かった。
 これで運転に対する適性が分かるのか、と思いつつも淡々とこなしていく。
 
 結果は後日ということで、本日の予定はこれにて終了。
 入学式当日は、実車に乗れないとのことなので、初教習の予約を木曜日の最終時限に入れて下校。
 初の実車教習に期待はふくらむ。

 そして木曜日。
 早い目に仕事を切り上げて、午後8時25分、生まれてはじめての教習がスタート。
 まずは、センタースタンドを立てたままでまたがり、あちこちいじってみる。
 基本構造は原チャリと同じではあるが、後ブレーキが右足にある。
 後ブレーキと間違えて、クラッチを切ってしまいそう。
 ちょっと不安を抱えつつ、取りまわしの練習のため、センタースタンドを倒す。
 と、同時にバランスが崩れた。
 あいさつ代わり、と言ってはなんだが、バイクをコカす。
 ついでなので引き起こしのコツを教わり、とりあえず押す。
 
 続いて、半クラッチの練習。
 半クラッチにしてすぐ止まる。これの繰り返しで周回コースを1周。
 余裕があれば2速へ、とのことでやってはみるものの動作がぎこちない。
 4本の手足はバラバラの動きをしており、頭はパニック、今、何速で走っているかも分からない。
 が、慣れというのは恐ろしいもので、そうこうしているうちに、なんとなくコツが分かってきた。
 そして・・・
 『バ、バイクってこんなに気持ちいいものなのか・・・。』
 何か爽快な気分で教習終了。

 ホッと一息ついたところに教官がやってきて一言、
 「初めてで怖いのは分かるけど、頭の線1本切って、やっていこう。」
 ・・・キレた方が上達が早いわけね。
 面白くなってきた。バイクの楽しさが少しだけ分かったような気がする。
 あとは、1本、頭の線を切るだけだ。